1978-03-03 第84回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第5号
死者を出しました見高入谷四軒のうちの一軒だけはすぐ近くの長野というところ、安全な場所に土地がありますが、あとの三軒は土地がございません。買えば坪八万円から十万円ぐらいするということでございます。あるいは土地があっても建築基準法上の道路とかあるいは下水、こういったものがないのでつくらなければならない。何かこれは対策がないだろうか。
死者を出しました見高入谷四軒のうちの一軒だけはすぐ近くの長野というところ、安全な場所に土地がありますが、あとの三軒は土地がございません。買えば坪八万円から十万円ぐらいするということでございます。あるいは土地があっても建築基準法上の道路とかあるいは下水、こういったものがないのでつくらなければならない。何かこれは対策がないだろうか。
あと二つございますが、実際問題として、十八日に私も現地のあの山津波といいますか河津町見高入谷の現地におりましたが、午後四時ごろマグニチュード六ぐらいの地震が二時間以内に来るという話を現地の町役場の職員から耳打ちをされました。また来るかなという感じは率直に言ってしました。幸いにして来ませんでした。
山津波のため四戸が埋没、七名が生き埋めとなった河津町見高入谷地区では、行方不明者二名の遺体を求め、十四日目の捜索が進められておりました。自衛隊員七百二十名、機動隊員二百名、その他地元住民数十名から成る大捜索陣は、機械車両二十数台を駆使して、さながら野戦場の様相でありましたが、視察を終える直前に遺体が収容され、改めて現場に赴き弔意を表してまいりました。
また、私自身も二十七、二十八両日の参議院の災害委員会の調査に参りまして、厳しい災害の跡を見、とりわけ青木理事の方からも報告をしたわけですが、見高入谷のあの山津波の中では、たまたま視察の現時点で二つの遺体が発掘をされるというような、生涯忘れがたいような深刻な状況も見聞をしてまいったわけであります。
もし被害の直接原因であるがけや地盤が鉄筋コンクリートの擁壁で固めてあったならば、今回の地震はこんな大被害にならなかっただろうし、また、河津町の梨本地区や見高入谷のような、全く急傾斜地の民家の背後地をボーリング調査をしておったならば、地下数メートルの火山灰の土質に気づいたと実は思うのであります。
次に、見高入谷地区は稲取の海岸線から四キロほど山側に入った緩やかな山に囲まれた集落でありますが、通称土口山と呼ばれる山が地震直後に崩れ落ち、土砂は下方の四軒の家を埋めつくし、七名が亡くなられるという惨事が発生したところであります。
今回の被災につきましては、土砂が崩壊をいたしました見高入谷地区のようなケース、それから岩石の斜面が崩壊したケース、それから落石があったケースというふうな、大体三種類に分かれるのではないかというようなことがわかってまいったわけでございますけれども、ただ私どもの従来予想していなかったこともわかってまいりました。